彩りのない世界。

この世界で生きてる証をあなたの胸に遺そう。

踏切の向こう側

 

 

いつもの道を歩いていた。

 

 

踏切の向こう側にあなたが立っていた。

 

 

あなたの名前を呼んだ時、けたたましい警告音が鳴った。

 

 

僕の声は掻き消されてしまった。

 

 

もう一度、僕はあなたの名前を呼んだ。

 

 

目の前を電車が勢いよく通り過ぎていく。

 

 

一瞬の時間がひどく長い時間に感じた。

 

 

踏切の向こう側にいるあなたに僕の声は届いたのだろうか。

 

 

電車が通り過ぎたその先にあなたの姿はもうなかった。

 

 

踏切の向こう側にいたあなたには僕の声は届かなかった。

 

 

僕は今日も同じ道を歩く。

 

 

踏切の警告音が心の中に響いていた。